第163章

「莉理さん、どうでした? 通ったんですか?」

「離婚、成立しました?」

「早く見せてください!」

大島莉理と田中辰哉が研究室に戻るや否や、社員たちにぐるりと囲まれた。

今日、莉理が離婚の手続きをしに行ったことは皆が知っている。だからこそ、首を長くして“吉報”を待っていたのだ。

莉理は苦笑する。

この浮かれ具合――知らない人が見たら、今日結婚でもしたのかと思うだろう。

莉理はバッグから例の冊子を取り出し、皆の前でひらりと振ってみせた。

それだけで十分だった。歓声が弾ける。

佐伯清司も微笑んで言う。

「おめでとうございます、先輩」

ようやく独り身に戻れた。ここからは、新しい...

ログインして続きを読む